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noguchi
noguchi
公開日:2020.05.11 /
こんにちは。IT+ 野口です。
BtoB営業組織とIT活用その3、として売上アップのために3つの指標を向上させる方法について説明していきます。
前回の「売上の公式の3つの指標を算出する」の記事で書きました、売上の公式については以下です。
売上 = 商談数 × 受注率 × 平均受注額
また、例として3つの指標を以下の数値で説明しました。
売上 = 商談数 × 受注率 × 平均受注額
1億円 = 100 × 20% × 500万円
仮にこの1億円が前年度の売上だったとして、分かりやすいように翌年の売上目標を2倍に設定します。
売上を2倍にするためには、3つの指標のうちどれかを2倍にするか、それぞれを1.25倍ずつすると、約2倍になります。
目次
まず、自社の実情に合わせて考えると、どれを上げるのが簡単で、どれを上げるの難しいでしょうか?
例として、全てを1.25倍してみると、以下のようになります。
売上 = 商談数 × 受注率 × 平均受注額
約2億円 = 125 × 25% × 625万円
パッと見、行けそうな気がしますか?
業界や扱っているものによりかなり差があるとは思いますが、どれかを2倍、と言われるよりは1.25倍ずつの方が行けそうな気がしますよね。
ただ、ここで忘れてはならないのは、例えば受注率をアップさせるために、値引きをしては駄目なのです、もっというと値上げをした上で受注率をアップさせなければならないのです。
(受注額を上げる方法として、値上げなのか、オプションのような商品を一緒に販売するのかなど必ずしも値上げだけとは限りませんが分かりやすく値上げとしています。)
単に受注率だけを上げろ!って言わるなら結構楽チンで、値引けば良いんです(笑)
では、一つずつ具体策を探していきたいと思います。
どうしたら商談数を増やすことができるでしょうか?
まず商談数自体も分解してみます。
顧客数 × 商談化率(案件化率)
顧客数も分解してみます。
新規顧客と既存顧客、または、未取引顧客と既取引顧客(そんな言葉存在するのか分かりませんが、要は既存顧客です)。
一般的には、未取引顧客から商談・案件をもらうよりも、既存顧客からもらうほうが簡単です。別の言い方をすると、同じ営業工数を使うのであれば、既存顧客の方が商談化率が高いということです。
これらの指標のうちどれを上げることができるのか?
商談数 = 顧客数 × 商談化率
商談数 = (既存顧客数 × 商談化率) + (未取引顧客数 × 商談化率)
もっと分解すれば、未取引顧客も、現時点での未取引顧客とこれから増える未取引顧客、更に未取引顧客の中でもどういう接点で繋がったのか、まで細分化することもできます。展示会か、広告か、ホームページからの問い合わせか、など。分解しすぎても管理しづらいのですが、本来はここでITの力を借りることで分かりやすく整理でき、見える化でき、有効な手を打つことができるようになりますが、その辺りはもう少し後で説明します。
商談数を分解した各指標のうち、どれが伸ばせそうでしょうか?
顧客数か、商談化率か、となると正直これは各社毎によると思います。
ただ、分解した方の指標であれば、伸ばせそうなのは以下の順番ではないでしょうか。
1.既存顧客へのアプローチによる「商談化率」
2.「未取引顧客数」
3.未取引顧客へのアプローチによる「商談化率」
4.「既存顧客数」
ただし、日頃からちゃんとした営業活動を行っている企業であれば、という前提が付きます。
また、仮に2の未取引顧客数を増やすことは簡単だとしても、未取引顧客は商談化率が低いので優先順位は高くないですね。
では、具体的に1.既存顧客へのアプローチによる「商談化率」を上げる方法は?
新商品を案内する
過去に販売した商品への保守やオプションを提案する
とりあえず電話するww
上記はわかり易い例ですが、実際にはITツールを活用し効率良く、お客様にとって有益な方法で行いたいですね。
この辺りは本格的なITツールの活用と合わせて、説明していきます。
どうしたら、受注率をアップすることができるでしょうか?
受注率をアップさせるだけで良ければ手っ取り早いのは値引きですが、平均受注額が下がって結果的に売上が下がる可能性もあるのでそれでは意味がありません。
一番最初に検討するべきは、既存顧客、既存の商談へのアプローチです。
特に商談数が多い組織においては、既存顧客、既に案件化している商談へのフォローがしっかりとできていないことが多いです。というか、何かしらのITツールを導入していない限り間違いなくフォローできていないでしょう。
日々の仕事に追われていたら、全ての顧客、商談に対して抜け漏れなく適切なタイミングでフォローするのは至難の業ですし、頭では分かっていてもちゃんとした優先順位でフォローはできません。受注確度が高いもの以外は営業毎の感覚でフォローをしていると思います。
ここでも受注率をアップするための方法を一つ一つ深堀りしていきませんが、ITツールを使わずに、短期的に効率よく受注率をアップさせるなら既存顧客、既存の商談のみ時間を割くべきでしょう。
受注率については、ITツールの力が大きく寄与する部分ですのでITツールの活用の記事にて改めて説明していきます。
どうしたら、平均受注額をアップすることができるでしょうか?
単純に値上げをする、と当たり前ですが受注率が下がります。
分かりやすい方法としては、
1.上位モデルを買ってもらう
2.オプションや追加トッピングを買ってもらう
です。
1を業界用語としてはアップセルといい、2をクロスセルと呼びます。
アップセルは、Apple Storeの営業(販売スタッフ)であればiPhone 16GBのモデルではなく容量の大きい64GBのモデルを買ってもらう、スターバックスであれば、トールサイズではなく、グランデサイズを購入してもらう。
同じ商品の上位モデルを購入してもらうことで、受注額を上げる。
クロスセルは、iPhoneと一緒にAppleCare(保守)も買ってもらう。 カフェラテにショットを追加する、クッキーも買ってもらう。
ある商品を購入することが決まっているお客様に、オプションやトッピングを追加してもらうことで受注額を上げる。
どちらもポイントは、同じお客様からの受注額を上げていることです。
この辺りを営業マンや販売スタッフ任せにしていては、いくらマニュアルを作ったり研修を行ったりしても、徹底することはできません。やはり、受注額のアップに対してもITツールの活用は効果を発揮します。
自分が購入する立場だとAmazonのレコメンド(おすすめ)機能は最たる例ですね。特にクロスセルですかね。
BtoB法人営業組織の記事を書いていながら、iPhoneやスターバックスではちょっと実感が沸かないかもしれませんが、誰にでも分かりやすい例としてです。
売上 = 商談数 × 受注率 × 平均受注額
売上の公式を3つに分解することで、単に売上を伸ばそう、よりは3つの指標の中でどれが伸ばせそうか、伸ばす方法については触りだけ説明させていただきました。
この記事の中でも少しずつでてきましたが、売上を伸ばす=各指標を伸ばすために、営業組織におけるITツール活用の道筋が見えてきたと思います。
前置きが長くなりましたが、次回からはITツールの導入・活用について話しを進めていきたいと思います。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。
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