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noguchi
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公開日:2020.05.01 / 最終更新日:2020/05/11
こんにちは。IT+ 野口です。
BtoB営業組織とIT活用その2、として、売上の公式の3つの指標を算出する方法について説明していきます。
前回の「BtoB営業組織とIT活用 01 – 全体像 –」の記事で書きました、売上の公式は以下です。
売上 = 商談数 × 受注率 × 平均受注額
これらの3つの指標を算出するためには何が必要でしょうか?
目次
売上 = 商談数 × 受注率 × 平均受注額
これらの3つの指標を算出するためには何が必要でしょうか?
「システムを導入しよう!」
というのは、悪手です。
営業組織に限らずシステムを入れれば事がうまく運ぶ、まるでITが魔法のように考えてしまう方が多いです。
ITを活用するための前提が整っていなければ、システムを導入しただけで結局活用されないままになってしまいます。
これは大企業も含めた日本企業が良くやることです(笑)
条件が整っていれば、ITはまるで魔法のようなツールになります。
ただ、何の準備もなく、活用するための準備が整っていない組織が導入すると魔法のツールにはなりません。
例えば、営業組織には営業日報、という報告書がありますが、これなんかはとてもわかり易い例で、
・営業日報は重要だ!
・でも、いつの間にか営業日報の提出率が悪くなっている
・改めて営業日報の提出を徹底しよう
・・・
なるほど、営業が出さない理由はそういうことか。
(紙やメールやExcelで作った)フォーマットがあっても、入力するのが手間なんだな。
・・・
外出先からでも、スマホからでもいつでもどこからでも記入ができるようにシステムを導入しよう
・・・
・・・
・・・
システム導入から半年後、結局日報は提出されない状態が続く。
なぜこうなってしまうのか。
それは組織としてITを活用するための前提が整ってないからです。
営業マンが営業日報の提出に意味を感じるのなら、システムが無くても、フォーマットがExcelでも、メールでも、ちゃんと提出するのです。
(営業日報という名の報告書自体が必要か、不要か、という話はここでは触れません。)
話がそれましたが、3つの指標を算出するためにまずはシステム導入ありきではないということです。
では何があればよいのか、「案件管理表」です。
さすがに、案件管理表を紙で作るというわけには行きませんが、はじめはわざわざお金を掛けてシステムを導入せず、ExcelまたはGoogleスプレッドシートで十分です。
Excelだと同時編集がやりづらいので、可能ならGoogleスプレッドシートのようなオンライン上のツールが良いですが、最初は同時編集するほどではないと思うので身近なExcelでもOKです。(Excelもオンライン版ありますが割愛します。)
たぶん、最初のうちはもともと利用している売上を把握するための仕組みと併用することになると思いますが、最終的には1つのシステムで素早く・正確に商談の状況〜売上、利益まで把握できるようにするのが目的です。
案件管理表で管理していく項目は各社で異なると思いますが、案件管理表の例としてテンプレートを用意しましたので、これを元に自社用に修正していただければと思います。
補足として、このテンプレートに案件を記載していき、今年度の見通しについて月ごとに確度50%以上の案件がどの程度あるのかを把握したい、というような場合にはピボットテーブルを使って集計することで簡単に集計できます。ピボットテーブルはExcelの機能なのでここでは使い方は割愛しますが、テンプレートの中に集計後のイメージ入っています。
また、顧客名に株式会社を付与するかしないか、確度の区分けやそれぞれの基準、入力ルールについてはあらかじめ決めておくことをおすすめします。
主要項目としては以下です。
これらの項目がExcel上で溜まっていくと、最終的には3つの指標が算出できるようになります。
売上 = 商談数 × 受注率 × 平均受注額
ある一定期間経過した段階で、自社の指標を算出してみましょう。
ちょっと違和感があるかもしれませんが、この方法で計算していくと、「平均受注額」を算出するためには売上が分かっている必要があります。
でも、それで良いんです。案件管理表の受注した案件の受注額を合計すれば売上はでます。
例えば、このような流れです。
売上 = 商談数 × 受注率 × 平均受注額
1億円 = 100 × 20% × 500万円
これで、3つの指標が算出できました!
ここまで来ると、売上を2倍!という目標になったとしても、単に売上2倍!ということではなく、この3つの指標のうちどこを上げることができるだろう?
どれかを2倍か、それぞれを少しずつ改善して2倍か、という思考ができるようになります。
次回は、売上を上げるために3つの指標を向上させる考え方について説明したいと思います。
徐々に、IT活用の話しに繋がっていきますのでもう少々お付き合いください。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。
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