この記事を書いた人
ショップ店長 ミキ
miki
公開日:2014.07.31 / 最終更新日:2020/04/09
こんにちは、IT+(アイティプラス)からECコンサルを受けたネットショップ店長のミキです。
今日も【差別化】についてお話したいと思います。
この記事からご訪問下さった方は、以下の記事をご覧になってから当記事をご覧いただくとよりご理解いただけるかと思います。
さて、前回は
という3つの軸についてご説明しました。
この3つを全て平均以上にした上で、あなたのお店の強みと最もリンクする軸を一つ選びましょう。
何故一つに絞るかと言うと、それぞれの軸では方向性も施策も違いますので、2つの軸を同時に選択してしまうと2倍の手間と資本などが必要となるからです。資本力のある大きな企業ならあるいは2つの軸でも成功するかもしれませんが、もしも小さな規模や個人で始める場合は先ずは1つに絞ることをお勧めします。
ではまず、それぞれの軸を選んだ場合にどのようなビジネスの方向性が決まるかについて、簡単にご説明します。
①手軽軸
低価格で無難な商品
低コストで大量生産できる施設やシステム
手際がよく効率的な人材
これらが必要となります。
商品のクオリティよりもコストや価格重視で、生産性や効率を上げるための努力を惜しみません。
②商品軸
高品質で高価格な商品
高品質な商品を生み出すことのできる設備
最新トレンドをよく知る、技術力の高い人材
これらが必要となります。
何よりも商品やサービスのクオリティの向上につとめます。
③密着軸
顧客の個別ニーズに応える特注品
顧客の個別対応ができる設備・環境・システム
かゆいところに手が届く人材
これらが必要となります。
顧客の多種多様な要望にいかに細かく対応できるかがカギとなり、生産性やクオリティは2の次になります。
前回も言いましたが、どの軸が良い・悪いはありません。
一つ言えるとすれば、「どの軸にも決めない」ことが最悪であると言えるでしょう。
どの軸にすればいいかは「決め」の問題ですので、あなたがもしも社長なら「この軸で行こう!」と決めさえすればいいのです。
そして重要なのは、
上記のように、選ぶ軸によって方向性が大きく違いますよね。
設備一つとっても手軽軸と商品軸で必要な設備は全く違いますし、必要な人材もまた選ぶ軸によって変わります。
特に小さな規模からスタートする場合、ヒト・モノ・カネは有限のはずです。
軸を一つに絞ってそれらを最大限に有効活用せずして、既にそれを実践している競合に勝つことなどできる訳がありません。
また例えば最初に密着軸に決めたにもかかわらず、途中で手軽軸の人材を雇ってしまうとどうなると思いますか?
お客様の個別ニーズに対応しなくてはいけないはずが、バーゲン会場の売り子のように事務的な対応になってしまい、これでは密着軸での差別化とは言えません。
つまり、軸を決めることによって設備や人材がおのずと決まっていく訳ですから途中で別の軸に変更することはお勧めできませんし、実際にするとなると大きなリスクと負担を抱えることになります。
ですが個人でネットショップを始める場合、ついあれもこれもやってみたくなります。
例えば、
・安い商品を沢山用意して、誰でも気軽にお店に来て欲しい
・利益率の高い高価な商品もラインナップしてみよう
・お客様からのメールには親身に丁寧に対応していこう、など。
既にこの時点で、3つの軸が混在してしまっているのがおわかりになりますでしょうか?
私のように一人で始めるとしたら、最初の内はがむしゃらにやってやれないことはないでしょう。
売上が少ない内は、時間の余裕もあるかもしれません。
ですがもしも手軽軸のお店なのに、毎回お客様からのメールにテンプレートではなく手入力で個別に返信をしていたとしたら、商品を沢山仕入れたり製作しなくてはいけないのにメール対応に時間と手間を取られてしまいますよね。
また高級な商品を販売することで梱包も安い商品とは別の物を用意しなくてはならず、余計なコストや手間がかかってしまいます。
これでは折角手軽軸に決めても注力が分散されてしまいます。
手軽軸と決めたなら、丁寧な梱包よりも簡易包装にしてすぐに発送できる方を優先すべきですし、メールもテンプレートを使用して事務的にこなしていくべきです。
何故なら手軽軸で差別化をするということは、手軽であることに価値を感じて下さるお客様が来るということですから。
そのお客様に対してお届けまでの日数はかかるけれども丁寧に梱包した商品を発送するのと、簡易包装で注文したその日のうちに発送してくれるのと、どちらがお客様のニーズに応えているかはもうお分かりですよね。
ですので一度軸を決めたなら、ブレずに一貫性を保ちましょう。
そしてその後は「自分のお店は○○軸だから、この場合はこうしよう」というようにその軸に合わせた施策を打ち出していくことで、その一貫性に更に磨きがかかるはずです。
次回はこの一貫性について、実際に例を挙げながら理解を深めていきたいと思います。
では。
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ショップ店長 ミキ
miki